紙端国体劇場様の二次創作置き場。
2010/08/31 (Tue)21:57
東海道本線←篠山線
色々、まだ固まってなぃのですが。。。
真っ直ぐに伸びる線路を見つめる。
「…………」
行ったこともない場所まで伸びているその線路を走り抜ける姿を想った。
凛と前を向いて、見据えるものは何だろう。
自分にも見えるものだろうか。
高速鉄道ができるまで中心だった彼が、あの、『かみさま』に場所を譲ったと聞いたときに胸が痛くなった。
己の廃線が決まったと聞かされたときと、また違う痛み。
ゴゥ、と音を立てて列車が通過していく。
「…………東海道、本線」
話をしたことはない。
いつも、いつだって、遠くから見つめるだけ。
途切れることのない、この国の大動脈。
妬むよりも、ただ、憧れていた。
「お前は走り続けてくれな……」
高速鉄道に負けるたらあかん、と小さく呟く声は反対側から走ってきた列車の音に掻き消される。
長い長い、線路。
見つめ続ける先は見えない。
まるで、未来に繋がっているような錯覚さえ覚える。
「…………一度でいいから、話してみたっかた」
そんな機会などあるわけもないのに。
列車を追うように伸ばした腕を引き戻して、線路に背中を向けた。
話をする機会など、あるはずがなかったのに。
「篠山、少しいいか?」
「へ?」
聞き覚えのない声に呼ばれて振り返った。
目線より低い場所に勝手に見知っている姿があって、驚く。
金色の染めた自分の髪と違う真っ黒な髪、真っ直ぐ見上げてくる瞳の強さ。
思わず頷けば僅かに表情が緩んだ。
「悪いな、急に」
どくり、と心臓が大きく波打つ。
「いや、構わないが」
声が上擦りそうになるのを必死で押さえ込んだ。
「不躾なことを聞くことを先に詫びておく」
「?」
真剣な眼差しに、無意識に背筋が伸びる。
「お前、まだ走りたいか?」
「ぇ……」
何を言われたのか。咄嗟に理解できなかった。
ただ、黒い目を見つめ返す。
「この前オレのこと、見てたのお前だろ?」
「っ……」
カッと顔が熱くなった。
気づかれていたことに対してなのか、彼が自分を知っていたことに対してなのか。
無性に恥ずかしかった。
「気を悪くしたなら、謝る。ただ、ひどく眩しそうにこちらを見ているから気になった」
「いや、俺のほうこそ悪い……」
真っ直ぐな目は揺らがない。
気圧されるように小さくなれば微かに首を振られた。
「それより、走りたいか?」
瞬きを一回。
穏やかな空気を消し去ってもう一度同じ質問をされる。
咽喉が鳴った。
唇が乾く。
「走り、たい」
「そうか」
ようやく絞りだした答えに満足そうに笑う顔が、妙に心に残った。
+++++
うーん?
ちょっと、ぶつ切り;
おにいちゃんに篠山推したのジュニアだったらよいな!って話がしたかった。
多分。←
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