紙端国体劇場様の二次創作置き場。
2010/09/10 (Fri)18:00
可愛い話に挑戦してみよぅー。(棒読み)
さわさわと優しい風が頬に触れる。
優しく髪を撫でられる感触が気持ちいい。
そんなことを散漫に思いながらふ、と意識が浮上した。
「…………」
ぼんやりとした視界に映るのは、鋭角ラインの頬。
茶色の髪、書店のロゴの入ったブックカバー。
緑の葉のついた枝と、真白な雲の浮かぶ青空。
骨ばった指先と白いワイシャツ。
それと、水色の制服。
「ぇ……」
ようやく焦点を結んだ視界にありえないものを見つけて、思わず声が漏れた。
大きな声ではなかったが、近い彼には届いたのか遠くを見ていた視線が自分に向く。
細いフレームの眼鏡に一瞬光が反射する。
切れ長の瞳がレンズ越しに見下ろしてきていた。
「起きたのかい?」
「あ、うん……」
呆れた溜め息と一緒にズリ落ちてきた眼鏡を押し上げる。
見上げる顔は普段と何も変らなかった。
読んでいたのかいなかったのかわからない文庫本に栞を挟む様をぼんやりと眺める。
見える景色がいつもと違うのはわかった。
けれど、自分の今の状況がよくわからない。
企画書をおざなりに読んでいたのは覚えていた。
それが何故、京浜東北を下から見上げる事態になったというのか。
本気で考え出したところへ、文庫本と書類を脇に置いた京浜東北が首を傾げた。
「……いい加減に起きないと、風邪引くよ」
きゅ、と眉間に寄った皺。
その言葉に、ようやく体を起こすという選択肢に気がついた。
思うより動揺しているらしい。
寝転がっているのは座っていたベンチだろう。
腰がじんじんと痛んだ。
「…………」
そこまで思考して、再び思考回路が固まる。
ようやく今の自分の状態が脳内認識できたのだ。
だくだくと背中に汗が流れていく感じがする。
「聞いてる?」
「うぇぁっ、はいっ! 聞いてます!!」
不機嫌そうな顔に大慌てで返事をした。
まじまじとその怜悧な顔を見上げて、口を開く。
「あのー、京浜東北さん?」
「……何?」
普段より険しい表情をしている気がする頬や目元か薄っすらと朱い。
正直、キた。
「京浜東北!」
「だから何、……って、うわっ!?」
寝そべったまま腕を伸ばして京浜東北を引き寄せる。
驚いてる彼の唇にキスをして、にっこり笑った。
「ありがとな!」
膝枕!、と続けた後頭部に、当然のように京浜東北の鉄建がめり込んだ。
+++++
相手を想像してなかったから不思議事態になった。。。
頑張れー!と友人にエール。
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