紙端国体劇場様の二次創作置き場。
2010/10/10 (Sun)23:39
ウチの篠山さん。
こぅ、常にこんな感じです。。。
きな臭い匂いが鼻をさす。
ぼんやりと焼けた町を見ていた。
「……」
色彩の欠けた世界の隅に白い花。
引き寄せられるように近づく。
焦土に真白な花が咲いていた。
汚れのない色に吐き気をもよおす。
衝動的に握り潰そうと手をのばして、止まった。
利き手で制服をまさぐり小刀を取り出す。
口で鞘を引き抜くと躊躇いなく、掌を切り付けた。
「…………」
ぱっくりと裂けて一瞬の間。
鮮やかな緋色が浮き上がり瞬く間に肌が染まっていく。
手から溢れたその色は手首を伝い指を伝い袖口に地面に、花弁に滴った。
白が、汚れる。
唇が笑みとも侮蔑ともつかない形に歪んだ。
「ふ……」
ぼたりぽたりと零れる緋色。
鼻をつく鉄と塩の香。
何をするでもなく、ただただ見つめていた。
「何をしとるんじゃっ!?」
「……あ?」
咎めるような声に顔を上げる。
いつも見下ろす顔が上の方。
掌の惨状に眉を釣り上がる。
「こいっ」
「何故だ」
腕を掴まれ強引に歩き出す背中にぽつり問い掛ければ、凄い目で睨まれた。
斑に染まる花が見えなくなる。
「お前は馬鹿じゃ」
腕を掴む手が微かに震えていた。
「すまん」
「意味もわからず謝られても意味などないわっ」
凄い剣幕で怒られる。
どうしたら良いのかわからずただ同僚の背中を見つめていた。
思いだしたように切り付けた掌が痛む。
「…すまん」
「ふん」
何か感じとったのか今回は怒られなかった。
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