紙端国体劇場様の二次創作置き場。
2010/10/02 (Sat)02:35
篠山お誕生日おめでとー!と某所に載せていた文章さん。
何か、色々間違っている。。。
「誕生日おめでとう」
「っ!?」
同僚の言伝で立ち寄った駅員室で、いるはずのない人物と遭遇した。
しかもありえない言葉付きで。
あまりの衝撃に思考が停止した。
「あまりに急だったので、たいしたものはやれないのだが」
固まったままの目の前に簡素な箱が差し出される。
咄嗟に受けとった。
「あ、の」
「何だ?」
手にしていた箱を手渡して、手持ち無沙汰な様子なのに声をかける。
心臓が狂ったように鼓動を刻んでいた。
黒い目が真っ直ぐに自分を見る。
手の中の箱をきつく握り、震えそうになる唇を叱咤して口を開いた。
「ありがとう、ございます」
深々と頭を下げると少し迷う気配があって、髪を梳かれた。
「礼なら俺より、お前の同僚に言ってやれ」
「?」
促されるまま顔を上げると優しい苦笑いとかちあう。
何のことだろうと思うそばから、脳裏を過ぎる小柄で元気な姿。
唇の端が引き攣る。
「急に連絡してきたと思えば、お前の誕生日だと一通り騒いでいったぞ」
「……すみません」
穴があったら入りたかった。
「お前が謝ることじゃないさ。良い同僚を持ったな」
ふわ、と破顔して胸元から時計を取り出す。
「……っ」
ようやく治まった鼓動が忙しなく鳴りだした。
「慌ただしくて悪いが、もう時間だ」
「あ、いえっ」
その言葉に道を譲る。
カツリ、靴を鳴らして扉を出る。
「頑張れよ」
「ありがとう、ございました」
とん、と胸を拳て叩いて笑顔をひとつ。
手を振って姿勢の良い背中が遠くなるのを呆然と見送った。
「え……」
角を曲がり背中が見えなくなったところでようやく我に返る。顔が熱い。
「ど、うしよう……」
うっかり受け取ってしまった箱を見つめた。
少し悩み、机の上で開く。
中には品の良い万年筆が入っていた。
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ウチのジュニア(東海道本線さま)は篠山に構いすぎである。
きっと後生大事に今現在も彼は万年筆を持ってると思ぅ。←
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