紙端国体劇場様の二次創作置き場。
2011/05/04 (Wed)13:38
おとちゃんちの758市営.地.下.鉄とひめちゃんちの名.鉄さん。
生産性などないよ。
さらり、と亜麻色の髪を梳く。
閉ざされたままの瞳は開かれない。
さらり、さらり、さらり。
まるで人形のように横たわる姿。
少し身を屈めて触れるだけの口付け。
小さく歯を立てて唇を噛んだ。
「ぅ……」
僅かに鶴舞が身じろぐのにどこか安堵して、体を起こした。
じんわりと滲む朱。
残せる痕はこれくらい。
どれだけ体を重ねても、決して痕は残さないと決めたから。
「貴方は、」
結局目を覚まさない頬に触れる。
瞼の向こう、虚ろな青の瞳を思った。
「貴方は、あの人の隣にいる姿が一番綺麗なのだから」
ガラス玉のような双眸が生き生きと輝く瞬間を知っているから。
もうこれ以上は何も望まない。
「 」
小さく呟く言葉は空気を震わせることなく、どこかへ霧散した。
さらり、と。
今一度髪を梳くと、東山は静かに部屋を出て行った。
「…………いぬやま、さん」
眠ったままの鶴舞の口から掠れた声。
固く閉ざされた瞳から一筋涙が零れた。
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貴方が笑う顔が好きですよ。
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