紙端国体劇場様の二次創作置き場。
2011/05/11 (Wed)13:42
九.州と陽子さん。
光と影は表裏一体。
例えばそう、何気なく伸ばされた指とか。
無意識に浮かべる微かな笑みとか。
些細なことでさえ、貴方のことであれば私の胸は煩く心拍数を上げるの。
「どうした?」
ちらり、と視線ひとつ。
かけられた声に歓喜を隠して何もないように返事をする。
「うぅん、何でもない」
ただ、貴方が好きなだけよ。九州。
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この想いが貴方に届けばいいのに、届かないで。
絡めた指先も語る声も話す唇も、本物なのに。
触れた掌は流れる涙は温かいのに。
「私たちは、つくりものなのよ」
いつか壊れる日が来るの。
いつかいらなくなる日が来るの。
いつか、
「忘れ去られる日が来るの」
そう、いつかの私のように。
そういって彼女は、硝子細工の月のように微笑んだ。
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昔話をしましょう。
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