紙端国体劇場様の二次創作置き場。
2011/06/17 (Fri)15:41
何か、こういう話が書きたい。
ねつ造万歳!
走る姿を遠くに眺めているだけだった。
自分だけが彼を知っていいて彼は自分を知らない頃の話だ。
あの視界に自分が映れる日がくるのだと、小さく胸を躍らせてそっと厳しい横顔を眺めていた。
不意に振り向いた彼と視線があう。
驚いたように一瞬目が大きくなった。
「っ……」
思わずそこから逃げ出した。
幸いにも追いかけられはしなかったけれど、申し訳ない気持ちを抱えたままの開業日前日。
上司に連れられて挨拶に来た。
「はじめ、まして。国鉄の」
ばっ、と頭を下げる。
「二度目まして、日鉄の」
「っ……」
やはりお前だったか、と続く言葉に頬が熱くなる。
恐る恐る顔を上げれば酷く綺麗に笑う顔があった。
「俺の最初の仲間がお前でよかった」
「っぁ……」
よろしく、と差し出される手を握り返しながら、心臓は狂ったように鼓動を刻んでいた。
これが恋に落ちた瞬間だったなんて。
気がついたのは、気が遠くなるようなくらい後のことだった。
+++++
ジュニアと高崎。
PR
Comment