紙端国体劇場様の二次創作置き場。
2010/10/26 (Tue)23:49
おにつかちひろさんを聞いていたら書きたくなりました。
篠山さん。。。
「…………」
目を開く。
見知らぬ天井が見えた。
ゆっくりと体を起こせば、違和感。
何度か手を握り、開く。
視界に入った髪をつまんで、ようやく事態を把握した。
見下ろす制服は黒ではない。
こんな色の制服は、知らない。
「あ、起きたんですね」
ガチャリ、とドアが開いて知っている顔がのぞいた。
けれど、やはり知らない色の制服姿。
「よかった。なかなか目が覚めないから心配しました」
見たことのない表情に心臓が大きく脈打った。
「ぁ……」
声をかけてはいけない。
わかっている。
けれど、焦がれた姿が近くにいることに抑えきれなかった。
「東海道、本線……っ」
伸ばされた手を掴む。
「え?」
ぎょっ、と した顔で、まじまじと見つめられた。
触れた手から伝わる体温。
空いた手で髪を横へ流すと瞬きを一回。
知らない色の髪をゆっくりと脇に避けると真っ直ぐに見つめられた。
「…………」
唇が微かに動く。
縋るように握る手に力がこもった。
「……篠山」
「っ……」
名前を呼ばれた瞬間、歓喜で心が震えた。
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