紙端国体劇場様の二次創作置き場。
2011/01/23 (Sun)08:58
ちっちゃい半蔵門と日比谷の話。
日常閑話。
「ひびや!」
「11号線」
どーん、と走ってきた勢いそのままに小さな体が日比谷に突っ込んできた。
銀座に似た色の髪がさらり、と揺れる。
体格的に分があったため倒れなかったが、少しだけこの勢いは苦手だと思った。
「僕に何か用?」
「ううん!でも見つけたから!」
屈託のない笑顔にどうしていいのかわからない。
きらきらにこにことした笑顔に気圧されて、ただ一言。
「……そう」
小さく頷いた。
たったそれだけでも嬉しかったのか、ぎゅう、としがみつく力が強くなった。
「うん!ひびや、やさしいからおれだいすき!!」
「……そう」
裏も表もない言葉に今度は苦笑を隠して頷いた。
あぁ、どうしようか。
+++
半蔵門の金髪はブリーチだと信じてる。
「ひびや、おんぶ!」
「無理」
今日も今日とて突然つっこんできたと思えば、ちびっこは唐突なことをいいだした。
それを光の速さで却下して、日比谷は手元の書類に赤線を引いていく。
「やだ!おんぶ!!」
「あのね、11号線。僕は忙しいの。丸ノ内にでもしてもらいなよ」
「やーだー!ひびやがいいの!」
腰回りにべったりくっついたまま、イヤイヤと首を振る。
いい加減に慣れたから気にすることもなく黙々と仕事を続けていた。
「ねーひびやー」
「はいはい」
僕なんかに構っても何も面白くないだろう?
口から出かかった言葉を飲み込んで、小さな頭を撫でた。
+++
我が侭甘えたは昔から。
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