紙端国体劇場様の二次創作置き場。
2011/01/16 (Sun)23:53
ウチの篠山さんの詰め合わせ。
何も考えてないので、繋がってはいません。
ガタタンガタタンとよく知っている、けれど知らない揺れに体を任せていた。
ぼんやりと見つめる景色も知らないものだ。
「どうした?」
「……いえ」
心配そうな声に緩慢に首を振った。
少し困ったような顔をされて脱色した髪をゆるりと撫でられる。
優しい感触に僅か迷って呟いた。
「大丈夫です」
「そうか」
+++
東海道本線と。
がやがやと騒がしい食堂。
黒ばかりの中、ぽっと明るい銀灰色が目にとまった。
窓越しに一瞬邂逅しただけであったが、容姿も、聞いた歴史も酷く印象に残っている。
あんな騒動を二回も起こして、それでも存続が決まっている相手にふと醜い感情が膨れ上がった。
「 」
不躾に近づいて暴言を吐きつけた。
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八高さんに。
鏡に映る姿が変わる。
昔の、自分へと。
「な……」
『今は幸せか、俺?』
くつり、笑みの形に歪む顔。虚ろな眼差しで唇が釣り上がった笑顔の鏡面に波紋が広がり、腕が伸びてきた。死人のように白い腕。
逃げることもできず、胸元を掴まれ鏡へ引き寄せられた。
『なぁ、オレを捨てて手に入れたのは、何だ?』
+++
山陽さんと。
何故どうしてこうなったのか。
全身を駆け巡る痛み。
視界は所々朱く染まり、まともに平衡感覚も存在している気もしない。
人の為に走りたかった、人の笑顔の為に走りたかった。
それが何故。
人を死地へ運び、人を殺める為の道具を運び、自身を壊されて尚、走らなければいけないのか。
己の存在意義を問う。
+++
戦時中。
八高さんでも良かったかも。
桜の咲く季節に貴方に心を奪われました。
桜の散る季節に終わりが決まりました。
桜が咲く季節の前に貴方の手を取りました。
そしてまた、桜の咲く季節に貴方とかえってきました。
+++
山陽さんになったんです。
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